病院では患者さんだけでなく、家族の方も病気や退院後の生活等に多くの不安を抱えています。実際に、入院する子どもを看病していた私自身がそうでしたし、周りの方も同じでした。振り返ると、もっと情報が得られたら、同じ境遇のご家族と支え合えるような環境があったなら、もう少し心身が休まるのではと思います。そして、この経験から得た想いを形にすることが、今の医療や福祉現場に必要であると考え、精神保健福祉士をめざしました。資格をめざすにあたり、その学習は計画的に進めたいけれど、生活スタイルが変わったらどうしよう?そんな悩みに大学職員の方は丁寧に答えてくれましたので、安心して資格取得に取り組むことができました。例えば「社会福祉概論」では、社会福祉の歴史や制度の成り立ちを学びます。それらを踏まえ、福祉現場に目を向けると「なんで今、このサポートがないんだ?」と疑問に感じていたことへの答えが浮かび上がってきます。そうすると「だったら私たちはこうしようよ」といった具体的な提案や改善に繋がります。学びの成果を感じる瞬間でもありますね。また私は、自分の経験や想いを福祉の現場とどれだけ擦り合わせていけるかを意識しています。通信教育部にはいろんな経験や想いを持った方がいて、その方々との交流は、私の見識を広げ、深めてくれました。今はそんな仲間の経験や想いを自分事として捉え、現場のより良い環境づくりに展開しています。勤務先では、精神障がいがある方の自立や社会参加の支援をしています。私たちワーカーは人と人を繋ぐ役割を担うため、対話をとても大事にしています。時には大学での学習を振り返り、メンバーの方々の話に耳を傾けています。そういった関わりの中でメンバーさんが良い経験を得て、自立への不安が減った時は一緒にチャレンジして良かったと思います。また現職場以外にも、私は”我が子に寄り添い看病するご家族“の支援にも携わっています。それは資格取得前の想いを実現する場でもあり、私にとって大切な活動の一つです。そんな活動や仕事に関わりながら経験や学びを重ね、これからも「私にできる支援」を実践していきたいと考えています。卒業生心配ごとが絶えない日々を経験して大学での学びや交流が現場と繋がる「私にできる支援」をこれからもChubu Gakuin University 2025 06伊藤 麻衣さん(いとう まい)2020年度卒業愛知県あま市 在住勤務先での業種:生活支援員取得学位:学士(社会福祉学)取得資格:精神保健福祉士、社会福祉士私の見識を広めてくれたスクーリング仲間に感謝
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