第11章【レポート学習で学んで欲しいこと】テーマ4(第2回提出課題課題2の作成に向けて)教科書本テーマでは、社会権について学習する。社会権とは社会国家・福祉国家の理念に基づき、「人間に値する生存」のために不可欠な権利として、国家に一定の施策を要求する権利をいう。この点、「国家からの自由」を実現する自由権とは、大きく性格が異なるものである。日本国憲法においては、憲法25条以下に、生存権や教育を受ける権利、労働基本権といった、社会権保障の規定が設けられている。解説解説生存権に関しても、朝日訴訟や堀木訴訟など、重要な判例がある。それら判例をもとに、その権利の性質について論ずるとよい。また、現在においても生存権の実現は、大きな問題となっている。日々のニュースなどと関連させて考えると、理解が深まるだろう。教科書本テーマでは、参政権について学習する。参政権は国民主権を実現するものである。具体的には、選挙という形で実現される。まずは、民主主義制度との関連で、日本の選挙の原則について確認しておきたい。次に、選挙権は投票権の平等という部分で問題になる。平等という点では、テーマ1とも関連する。投票権の平等は、単に1人1票というだけでなく、その1票の価値の重みについても問題となる。議員定数不均衡という問題である。判断の要素として、格差の程度、選挙区割り改正からの合理的期間の経過、衆議院と参議院との違いなどを見ることができる。なお、衆議院については、1996年の選挙から選挙制度が大きく変わっており、判例動向を見る際にも注意が必要である。参政権に関する問題は、一見見えづらい問題だが、民主主義の根底をなす大きな問題である。選挙権の制約、選挙運動の自由の制約に関する裁判例を中心にして、この問題を考えてみてほしい。学習は教科書を用いて進める。全体をカバーしてほしいが、特にテーマとして設定した部分は入念に読み進めてほしい。まず全ての人権問題に共通する部分を理解し、次に憲法の各条項に規定された個別の人権規定の内容について理解する。人権部分については、判例が数多くある。判例については、参考書として指定した『憲法判例』など市販の判例集を使って理解を深めてもらいたい。具体的判例について知ることは、憲法問題を理解することに不可欠である。次に統治制度に関する部分では、国会・内閣・裁判所の各国家機関がどのような権限を持ち、そしてお互いの関係がどうなっているのかに注意してテキストを読み進めて欲しい。統治機構の制度がどのように具体化されているのかを学習することにより、現在の日本の政治状況などもより理解できるであろう。また、日々のニュースに気を配ることも重要である。憲法問題は、日々生まれ、新しい状況にあるといえる。憲法的視点に立ち、そのような社会現象を理解することができるようになれば、学習は意義深いものになるだろう。19世紀までの近代憲法が保障する権利は、自由権が中心であった。しかし、資本主義の発展により貧富の格差が拡大したため、国家による積極的な介入により、その権利を実現しようとしたのが、社会権のそもそもの成り立ちである。まずは、その歴史的展開に注目してほしい。第10章社会権参政権参政権
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