【レポート学習で学んで欲しいこと】一方長与は、子にも恵まれ、8人の子女の父親でもあった。長兄の称吉は、日本の胃腸病学の開祖であり、その孫は作家の犬養道子である。4男の裕吉は、高等文官試験を受験し、官僚を経験したのちには日本の通信事業の発展に貢献する。5男の善郎は白樺派の作家として大成した。子女たちの成長に立ち会っただけでなく、部下の育成にも力を注いだ。例えば長与は後藤新平の才能を見抜き、内務官僚に抜擢した。そしてその後藤は長与の衛生行政論の継承者として活躍し、明治30年には伝染病予防法の制定を実現する。また後藤には北里柴三郎というライバルがいたが、この北里を「世界のキタサト」と称されるまでに後押ししたのも長与であった。官僚が活動するための、あるいは官僚が残した人的資源を、長与専斎を事例に解明することがここでの目的である。レポート学習にて設定したテ-マは、教科書を理解するうえで重要な点です。日本は特に官僚制が強い国として指摘されます。日本国憲法第41条には、「国会は唯一の立法機関」とあります。しかしその一方で、行政権の行使が期待される内閣は、「内閣提出法案」、通称「閣法」を通じて、立法機能も担っております。この「閣法」を準備するのが厚生労働省や国土交通省といった省庁の官僚たちです。「閣法」は完成度が高く、議会の職業政治家がその修正を求めて議論するのが困難なことも珍しいことではありません。日本は「生まれながら」にして行政国家であるといわれる所以です。行政は官僚によって動かされております。それは地方分権時代の地方行政も例外ではありません。さらに大学等教育機関の運営や福祉施設の経営も官僚を無視して計画することは困難です。それほどまでに日本の行政、ひいては日本社会の運営に官僚は与っているのです。一方で、では官僚とは何かを論じることはしばしば困難を伴います。行政組織内の幹部候補、上級公務員、キャリア等の言葉で論じられることもよくありますが、具体的ではありません。そこで長与専斎という実在した官僚を通じて、具体的に日本の官僚について熟考する機会を持ってください。ここで修得した能力を活用し、他の行政領域で活躍する官僚、海外の官僚、官僚の成り立ち、官僚の功罪、地方分権と官僚制など、自身のテーマの獲得を目指しましょう。ここで修得する智識は高等学校の学び+αです。本科目での作業に取り組む中で得た智識を自分のものとして自由に活用することが出来るようになれば、様々な場面で要求されるコミュニケーション力の飛躍的な伸長を実感することになるでしょう。◆科目修了試験に臨む前に・・・形式レポート形式アドバイス出題範囲は、教科書全般です。ここで扱われている内容に関して参考文献を使用しながら整理し、理解を深めて下さい。参照物すべて可
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