2024年度 学習ガイドブックⅠ
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テーマ3(第2回提出課題課題1の作成に向けて)テーマ4(第2回提出課題課題2の作成に向けて)文化的な面から人を正しく観察する。診察場面に相応しい態度や行動を示しているか、ということも重要な視点である。しかしながらその視点は置かれた状況によって評価が異なることも注意しなければならない。精神医学的診断はわが国では「従来診断」と呼ばれるものがよく用いられている。これらはさきの原因による分類を基盤にして、さらに年齢軸による分類を加えたものであるが、いまなお使われている。これに対して国際的な共通語としての診断分類がある。ICD-10で、国際分類第10版である(ICD-11は2018年に公表されたが邦訳はない)。この精神医学的診断がF項目で、F0からF9までに分かれている。またアメリカ精神医学会が用いてきた分類は、わが国でも重視されているDSM-5(2012年に改訂された)がある。精神保健福祉士になろうとする諸君は、こうした分類に慣れる必要がある。教科書こうして診断基準に関する学習が進んだところで、個々の精神疾患に関する解説を行っ解説解説ている。解説の順序は国際的な診断基準であるICD-10に沿って行っている。はじめに解説するのはF0「症状性を含む器質性精神障害」で、ここではアルツハイマー病や交通事故による脳障害とその際に現れる精神症状について学ぶ。F1「精神作用物質使用による精神及び行動の障害」で、ここではアルコール依存や薬物依存について学ぶ。F2「統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害」ではわが国がなぜ『精神分裂病』という用語を用いなくなったかを踏まえながら新たに訳語として登場した『統合失調症』について学ぶ。F3『気分(感情)障害(躁うつ病)』では躁病及びうつ病について双極性、単極性障害と表現されることもあるが、特に症状と経過の違いを学ぶ。F4『神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害』では従来用いられてきた神経症に関する診断を踏まえながら学ぶ。F5『生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群』は摂食障害や産褥精神障害について理解し、F6『成人のパーソナリティおよび行動の障害』では人格障害を総論しているほか、性同一性障害について学ぶ。F7『知的障害(精神遅滞)』では精神薄弱という用語を用いなくなったいきさつを学び、知的障害という言葉で精神遅滞についても学んでいく。F8『心理的発達の障害』では広汎性発達障害を自閉症及びこれらに関連する障害として述べ、F9『小児期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害』では多動性障害やチックについて学ぶほか最近よく用いられる行為障害についても学んでもらいたい。教科書ここでは精神医学的治療を総論的に学ぶほか、各論的にそれぞれの治療手法についての学習をすすめてもらいたい。精神疾患に対する治療で最も重要なのは薬物療法であり、その薬物療法に関する解説を重点的に学習する。また精神疾患であるだけに精神的・心理的アプローチが重視されるので、精神療法(心理療法)についても主な手法に関して触れて第5章精神医学的治療と精神障害者を支える地域システムについて第6章及び第7章精神疾患についての解説-3-

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