◆提出課題に取り組むために・・・第1回課題1第1回課題2第2回課題1第2回課題22教科書の内容がしっかりと理解できているか。3みずからの問いにおいて課題に取り組めているか。4論旨が整合的に展開されているか。まず、教科書の該当箇所全体を通読します。その上で、課題で要求されていることを念頭に置いて精読に取り組みます。「密接な人的関係性」は「役割関係」との対比で論じられていますので、その対比に注目して意味を理解しましょう。「応答」の意義は、まず、「ケアする人」「ケアされる人」の役割を念頭に置いてください。「ケアする人」の「動機づけ移転」とは「ケアされる人の視点に立って行為を起こす」ことを意味しています。すると、わたしでない他者(あなた)の考えやニーズを、わたしが考えることが「ケアする人」に求められます。このことを踏まえて、教科書132ページから133ページの考察を読み解いてください。第5章では、いくつかの事例を用いて地域社会にケアリングを根付かせる取り組みが紹介されています、通読し「地域包括ケア」という考えに基づいた地域社会づくりのイメージをまず掴んでください。そのうえで、62ページから63ページの「政夫さん」と「その甥」についてのストーリーを「可逆性」と「循環性」というキーワードで解釈し直し、「居場所と出番」があることが、コミュニティがうまく成立する際にどう影響を及ぼすのか、想像して答えを表現してください。解説でも触れたように、第7章で明らかにされているケアリングの特性には、少なくとも3つの側面があります。「差異の中の同一性」、「ケアする人の自己実現」、「ケアすることはケアされることである」という「双方向性」です。この3つの特性を、教科書の具体的な記述を踏まえて解釈するようにしてください。課題を作成するとき、この3つの特性のすべてを取り上げることもできるでしょうし、どれかの特性に着目して論述することもできるでしょう。どの特性をケアリングの要点と見るかによって、論述に使われる特性はそれぞれの人で異なるはずですので、そこに考察の独自性が現れるはずです。まず、ケアの倫理は「一般的な見地」から倫理的な問題を吟味「しない」という点を踏まえてください。解説にあるように、「〜だから、すべき(すべきでない)」という倫理的な判断の「〜」にいつでも当てはまるような基準を立てて、杓子定規的に、ある行為を断罪したり、許容したりは「しない」のがケアの倫理の発想方法です。その代わりに、ケアの倫理が注目するのは、個別的で具体的な状況と、そこで繰り広げられるケアリング関係の成立の可能性です。こうしたケアの倫理の特徴を、教科書の具体例を使ってもよいし、自分でなにかの問題を設定してもよいので、具体的に考察してください。教科書の具体例を使う場合は、丁寧な精読が必要となるはずです。自分で問題設定する場合は、ある程度の具体性を備えた状況の設定とケアの倫理の特徴を踏まえたその判断内容との提示が必要となります。
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