2024年度 学習ガイドブックⅡ
25/196

障害者の心理◆教科書・参考文献について・・教科書(1)別府悦子・香野毅2018「支援が困難な事例に向き合う発達臨床」ミネルヴァ書房参考文献①別府悦子著『発達障害の人たちのライフサイクルを通じた発達保障』全障研出版部2013参考文献は、教授者たちの実践や相談事例をもとに刊行したものです。この科目に興味をもって、学習を進めたい方に読んでいただきたいと思っています。◆科目の内容について・・・福祉や保育、教育の現場で障害(障がい:ここでは慣例上「障害」と記します)(知的障害、身体障害、精神障害、発達障害など)、もしくはその傾向のある人たちの支援が重要になっています。各種の調査でも、障害のある人たち、とりわけ発達障害の人たちの数は増加していると指摘され(2002年と2012年の文部科学省の悉皆調査で小中学校に約6%在籍しているなど)、「発達障害者支援法」の制定や特別支援教育の推進、発達障害者支援センターの設置などが行われてきています。しかし、障害や発達障害のある人たちの理解がまだ十分に広がっているとは言い切れず、行動の特徴をとらえて、「やる気がない」「もっと努力すればよくなる」「親のしつけが原因」などと捉えられることもまだまだ多い状況にあります。それが原因となり、不適切な対応が行われることによって、被虐待を原因とする愛着障害、学習困難、いじめ、非行、対人トラブル、不登校、ひきこもり、離職、うつ、自殺などのさまざまな二次的な問題が生じることも懸念されています。本科目では、教科書で障害者の心理にかかわる基礎知識と考え方を得ていただきたいと思っています。その際、どんなに重い障害や激しい行動障害を示していても変わる、基本的な発達のみちすじは障害をもっていてもいなくても同じ、問題行動の背景に発達の願いがある、という発達保障の理念に基づいた学習をします。教授者たちは、教育・保育・福祉現場や行政や障害児施設などで勤めたり、子ども達や保護者、専門職の相談活動を行ってきました。本科目ではそうした実務家教員としての経験をふまえて担当します。すなわち発達や障害および子ども虐待やひきこもりなどの理解をもとに、発達支援と相談援助の内容と方法について、臨床発達心理学、カウンセリング、社会福祉学などからの知見、あるいは当事者の思いや支援者の実践をもとに学びます。担当教員名別府悦子RT2単位選択15007000【実務家教員担当科目】ISBN:978-4-623-08404-3ISBN:978-4881340462

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る