221 「社会調査とは、一定の社会または社会集団における社会事象に関するデータを、主として現地調査によって直接蒐集し、処理し、記述(分析)する過程である」(教科書P3)ことから、具体的には、本科目では、受講生が日頃から疑問に思っている社会問題、福祉的課題(福祉ニーズ)を明らかにするために、実際に社会調査を実施することを想定し、個々の社会調査の目的によって、対象地域(集団、個人)によって、どのような調査を行えばよいか、①調査テーマ・調査対象の選び方、②調査方法(量的調査or質的調査)、③調査結果の分析・記述という社会調査の基礎となる理論・方法を学ぶことを目的とする。そのために、既存の調査報告書を検索し、量的調査における調査票の作成、また質的調査については聴き取り調査の実際を学習してほしい。 *量的調査の参考としては、『社会調査法入門』(盛山和夫著 有斐閣ブックス2008)、『新・社会調査へのアプローチ(調査と方法)』(大谷信介他著 ミネルヴァ書房 2013)、官公庁、研究機関等がWeb上で公表している調査報告書を参照。 *質的調査の参考としては、『よくわかる質的社会調査 技法編』(谷富夫他編著 ミネルヴァ書房 2009)を参照。 テーマ1 (第1回提出課題 課題1の作成に向けて) 量的調査の方法を理解する 教科書 第5章 社会福祉調査の流れ 第6章 量的調査の意義と目的 第7章 量的調査の種類と方法 第8章 質問紙の作成方法と留意点 第9章 質問紙の配布と回収 第10章 量的調査の集計と分析 解 説 (1)量的調査とは、一般的に質問紙(調査票)を用いる統計的調査法を指します。ここではまず、調査の目的・方法・種類について学習します。次に、量的調査の実施方法として、仮説の作成、調査対象者の選定(サンプリング方法)、質問紙の作成、質問紙の配布と回収、回収された調査票の分析という一連の統計調査の実施の流れについて学習します。 (2)社会調査を実施する前に、先行研究や先行調査資料を収集するためにデータベースの検索をします。なぜならば、これから実施する自身の設定した調査テーマの研究動向、調査目的の妥当性、実施しようとする調査の位置づけ・目的の明確化、調査方法や調査項目を検討する上で重要な参考資料となるからです。課題に取り組みにあたり、インターネットを用いたデータベースの検索についても学習してください(総務省統計局HP、各自治体のHP、シンクタンクや調査会社のHPなどで公開されている各種調査統計等も参照) テーマ2 (第1回提出課題 課題2の作成に向けて) 質的調査の方法を理解する 教科書 第4章 社会福祉調査における倫理と個人情報保護 第11章 質的調査の意義と目的 第12章 観察法と面接法 第13章 質的調査のデータ整理と分析 解 説 社会調査の種類には量的調査と質的調査の2つの方法があります。量的調査は調査目的から実査、収集した調査データの処理・分析をとおして調査の仮説を検証するという法則定位的な方法を用い、客観的なデータ分析に重点をおきます。一方質的調査は、調レポート学習で学ぶ範囲
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