ついても紹介されています。この科目を学ぶみなさんにはぜひ知っていただきたい職種です。みなさんのなかからボランティアコーディネーターとして活躍してくださる方があらわれることを願っています。 第12章では、ボランティア組織の運営について学びます。多様な個人がそれぞれの持つ力を発揮するためにも組織的な活動は有効なのですが、グループ運営に伴う課題も起こりやすいものです。その課題の多くは、ボランティア活動の本質について常に思いを巡らせているならば防ぐことが可能です。具体的にはどのような方法が有効なのか、本章の記述をてがかりに考えてみてください。 ここまでテキスト学習を進めてきたみなさんは、「ボランティア活動」とは何か、少しずつ見えてきていることと思います。これまでの学びをふりかえりながら、第13章と終章を読み進めてください。歴史のなかで、また現代社会において、ボランティア活動はどのような役割を担ってきたでしょうか。それはどのような意味を示すのでしょうか。 このことについては、現在も議論が交わされている最中です。教科書では、数多くの具体例を通して代表的な考え方を示してありますが、いずれも絶対的なものではありません。繰り返しになりますが、大切なことは考えることをやめないことです。ボランティア活動も社会も、それぞれに固有の感じ方をする私たちが出会い、考え、創り出していくものです。 教科書で幾度も指摘されているように、現代の社会では従来の価値観や解決方法では解決できない多くの課題が顕在化しています。それらを創り出したのも解決することができるのも私たちです。ボランティア活動という営みを通して、現代の社会と未来を展望してください。そして、あなた自身は何をすることができるのか考えるきっかけとしてほしいと願っています。 【レポート学習で学んで欲しいこと】 それぞれの章の学びの視点、ねらいなどについては上記のとおりです。具体的に紹介しましたので、それぞれの章を読む前に上記事項も読み返してほしいと思います。 上記で紹介したこと以外には、教科書の各章の終わりに「読者の皆さんへの質問」があります。各章を読み終えたあとに「質問」の答えを書き出してみてください。その積み重ねが、みなさん自身の考えを深めるための役に立ちます。また、「質問」に続いて各章の重要語句を「ボランティアを読み解くキーワード」として掲載しています。ただし、紙面の関係で重要語句のすべてを紹介してあるわけではありませんし、説明も簡略化されています。用語事典なども活用して理解を深めてください。 この教科書は、各分野でボランティア活動に関わる方たちが分担執筆したものです。表紙裏に執筆者一覧が掲載されています。各章ごとに筆者を確認し、読み進めてほしいと思います。現在は大学などの研究機関に所属している執筆者も、かつてはボランティアコーディネート業務に従事するなど、現場に深く関わっており豊かな実践経験を背景に持っています。「はじめに」にもあるように、本テキストは各章に体温や熱意、思いが込められたものになっています。それぞれの筆者のプロフィールについて調べてみると、各章で述べられていることをより具体的に理解することができるかもしれません。 各章末尾には、それぞれの筆者のコラム「私にとってのボランティア」が掲載されています。活動のフィールドや体験はさまざまに異なっているのに、コラムに書かれている思いには驚くほど共通するものがあります。それは「ボランティア活動の本質、役割」にもつながるものではないでしょうか。 ◆科目修了試験に臨む前に・・・ 72
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