グの実際が知りたいとき、図書館で参照されると良いでしょう。 臨床心理学は心理学の中の一分野ですが、とりわけ一般的に注目されやすい領域であるといえます。その背景には、不登校やいじめ、発達障害、教員のメンタルヘルスなどの学校現場で生じている問題、また職場のストレスによるうつ病など会社で生じている問題、そして虐待、ひきこもり、高齢者のケアなど家庭の中で生じている問題、などが社会現象となり、早急な対応を必要とされていることがあります。臨床心理学はそれらの問題との関わりの中で心理的支援が必要な状況に至った人々に対して心理援助を行い、問題の解決や改善を目指す学問です。 心理援助を行なうためには「カウンセリング」や「心理療法」を学ぶことが挙げられますが、効果的な援助を行なうためには介入方法を学ぶだけでは十分ではなく、目の前のクライエントの状態や起こっている問題をどのように「アセスメント」するかも重要なポイントです。そのためには治療理論や介入技法に加えて、心や人間についての基本的な捉え方、症状や障害についての知識、査定の方法についても理解していることが必要です。本講義ではこれらについて学び、臨床心理学の基礎知識を習得することを目標とします。 教科書は臨床心理学でポイントとなるテーマ別に証を分けて解説されています。具体的には臨床心理学の歴史と考え方、アセスメントの方法、精神疾患や発達過程における問題、介入理論と技法、研究方法の紹介、臨床心理の職域や専門性などです。それぞれの章で扱っているテーマを意識しながら読み進めると整理して理解しやすいでしょう。 本講義では学習内容の範囲が提出課題とスクーリングで分かれています。提出課題では、教科書で説明されている内容を適切に理解し、それをわかりやすくまとめることが求められます。そのため、教科書をよく読み込み、またわからない用語は調べるなどして理解を深めてください。また、提出課題は教科書の内容の一部からしか出題されませんので、提出課題部分だけ読んだのでは不十分な学習に終わってしまいます。臨床心理学全体の学習のために、提出課題に取り組む時にはテーマとなっている章全体について読むようにしてください。 スクーリングでは、アセスメントの方法と実際、また心理療法の理論や介入技法の実際について、基本的知識を元に実習を交えながら学びます。そのため、スクーリングのテーマに指定した教科書の該当箇所は予め読んでから講義に臨まれると、より受講時の理解が深まるでしょう。 テーマ1 (第1回提出課題 課題1の作成に向けて) 臨床心理学の構造と基本理論 教科書 第1章 臨床心理学とは何か(1)構造と歴史 第2章 臨床心理学とは何か(2)基本理論 解 説 第1章では、臨床心理学の定義や理念、また世界と日本における臨床心理学の歴史がまとめられています。臨床心理学の軸となる3つの活動とは何か、また臨床心理学が精神医学とはどのように異なり、心理療法やカウンセリングとどう区別されるのかが理解レポート学習で学ぶ範囲 ◆学習をすすめるために・・・ ◆科目の内容について・・・ 66
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