びつけて、3つの動機の違いを把握してください。私たちは自分と他者を比べて、自分自身を理解します。この時の比較の仕方が、3つの動機によって異なるからです。 (2)私たちがある事態を不公正だととらえる際の2つの視点の違い(「分配」と「手続き」)を、把握してください。また、公正さの認知で生じる判断傾向について整理してください。 第2回 課題1 (1)社会的排斥の「社会的」とは、自分の周囲の人たちからという意味であると考えてください。排斥と受容は、集団で暮らす私たちに重要な影響を及ぼすことを学びます。 この課題のポイントは、「社会的排斥の影響を和らげるうえで、ソーシャルサポートが果たす役割について考察しなさい」という箇所です。社会的排斥を体験した人がソーシャルサポートを受けることの意味に焦点を当て、「自分のことば(考え)」でよいので、「社会的排斥とソーシャルサポートの結びつき」について論述してください。このため、「説明」ではなく「考察」と表記しました。分量の目処は、①と②の合計が400字前後、③が400字前後と考えてください。③では、社会的排斥の具体例を使うと書きやすいでしょう。 (2)自尊感情は、テキストで繰り返し現れる重要な概念です。テキスト第4章の方がむしろ詳しく説明されています。ソシオメーター理論も第4章で触れられています。社会的排斥の問題と結びつけて理解してもらうために、第2回課題でも取り上げました。したがって、レポートをまとめる際は、第8章だけでなく第4章も使ってください。 第2回 課題2 (1)社会的アイデンティティ理論は、社会心理学の最も重要な理論の1つです。(2)の「集団間葛藤」とも結びついています。テキストには、アイデンティティそのものの定義は記されていません。大切な概念ですが日本語にしにくいので、確認しておきます。 アメリカ心理学会(APA)発行の心理学辞典には「アイデンティティとは個人の自己意識である。この自己意識は ⓐ身体的、心理的特徴、および ⓑ(民族などの)様々なつながりや社会的役割によって定義される。」と記されています。冒頭の一文にあるように、アイデンティティは自己意識ですから、「自分はどのような人か(誰か)という(自己)理解」といえます。その理解を定義(規定)するものが、ⓐとⓑの2種類あるということです。ⓐとⓑは、ここで取りあげたる2つのアイデンティティそのものです。これを踏まえて課題に取り組んでください。 (2)集団間に葛藤(紛争)が存在すると、メンバーは大きな影響を受けます。自己のとらえ方やもの見方、行動が変化します。この事態を社会心理学がどのように説明するのかについて理解してください。この課題は、第9章の社会的アイデンティティ理論の考え方を前提としています。そこで、社会的アイデンティティ理論の節を読み直してから、課題に取り組んでください。 80
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